PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020
NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース
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A DRIVER | 浅野 武夫 |
B DRIVER | 藤原 大暉 |
C DRIVER | 土屋 武士 |
D DRIVER | 西村 和則 |
E DRIVER | 芝 叔和 |
F DRIVER | 井上 雅貴 |
| 9/4 予選 | 9/5 決勝 |
順位 | 9位 | 4位 |
結果詳細 | 浅野 2.01.721 藤原 2.01.464 | 浅野 70周 藤原 81周 土屋 115周 西村 46周 芝 94周 井上 62周 |
【フリー走行・予選】
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コロナ渦で開催スケジュールが大幅に変更されたPIRELLIスーパー耐久シリーズは、9月4日5日、富士24時間レースにて開幕した。
長いシーズンオフの間、チームは浅野を中心に今年Bドライバーを務める藤原、Cドライバーを務める土屋と地元ツインリンクもてぎにてテスト走行を行った。
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木曜日の占有走行ではマシンの足回りに不具合が発生し、トラブルシューティングに追われることとなる。
予選ではマシンセットアップが決まり切らないなか、浅野はアンダーステアに苦しみ2分01秒721で5番手、若干のセット変更をして予選に挑んだ藤原も2分01秒464でWedsSport86はクラス5番手となった。
このBドライバー予選後、アタックを終えピットに戻る途中の藤原はエンジンの不調を感じ、マシンはコース脇でストップ、ピットモニターにはエンジンルーム辺りから出火したマシンが映し出された。ストップ原因はエンジンブロー。
チームはエンジン・ミッション交換と、アンダーステアに見舞われたマシンセットアップの変更を行い、決勝レースに備えた。
【決勝】
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決勝は大荒れの天候に翻弄されるレースとなった。決勝レースで狙うラップタイムは、ドライであればコンスタントに2分3~4秒台。毎回満タン給油として1スティント2時間程で24時間を走りきる作戦であったが、チームは状況に応じてピットタイミングを変更することとした。Bドライバーを務める藤原は2分3~4秒台で周回を重ねる。土屋がドライブ中のTOTAL75周目、再び降雨が激しくなったことから、18時07分にレースは赤旗中断となる。
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4時間以上を経てレースはSCで再開したが、天候や路面コンディションはなかなか改善しない。SCが長く続く状況と判断したチームはオイル交換等で10分のメンテナンスタイムを消化した。土屋は夜間でウエットコンディションという悪条件のなかハイペースで走行、最大運転時間の許すTOTAL127周目まで走行を重ねた。
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この時点でWedsSport86は4位と1周差の3位。不調の出始めたミッションをいたわる土屋を、4位884号車が詰めてくる。土屋の安定した速さに期待して3位をキープしたいチームは土屋でなるべく引っ張る。
厳しい戦いの末、354周目に残念ながら抜かれて4位に後退するが、西村は安定したペースでマシンを走らせて行く。
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浅野が最終走者となったが、マシンのクールスーツは効かなくなっていた。気温・湿度共に上昇し始める中、浅野は厳しいスティントを戦うこととなった。浅野は激しく体力を消耗しながらもTOTAL468周を走り切り、WedsSport86は4位でチェッカーを受けた。
【チーム監督コメント】
浅野 真吾
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「新型コロナの影響で開催が遅くなり、開幕戦から富士24時間。準備も大変でしたが、決勝はもっと大変でした。しかし天候に振り回され、戦略も難しい中、ドライバーは大きなトラブルなくよく走ってくれました。
結果は4位でしたが、完走してくれた事に感謝致します。
去年はひどい24時間でしたが、今年はチーム一丸となり次戦につながる強い走りが出来たと思います。応援していただきありがとうございました!」
【ドライバーコメント】
浅野 武夫
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「今年はコロナウイルスの為この様な状況の中でレースが出来ないのではと思っていましたが皆さんの協力と努力で走る事が出来る事に感謝します。
6ヶ月遅れての初戦が24時間レースとなり何かと不安を感じていましたが 練習走行、予選と無理なくこなして決勝へと進めて安堵したものの、予選でエンジントラブルが有り嫌な流れでした。またセットアップも詰め切れずに決勝をスタートしましたが 夜中の雨にも助けられて、今のチームではベストな走りでは無いかと思います。
最後まで大きなトラブルやミスも出ずに無事完走出来たのは、チーム皆さんと各スポンサー様の協力が有っての事だと思います ありがとうございます。
次戦菅生に向けて頑張りますので 応援よろしくお願いします。」
藤原 大暉
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「今回、初めてスタートドライバーをやらせて頂きました。予選でエンジンブローしてしまい、決勝も心配でしたが驚くほどペースが良く走ることが出来ました。一時は表彰台も見えていましたが逆転されてしまいとても悔しかったです。この悔しさを次戦の菅生にぶつけたいと思います。応援ありがとうございました。」
土屋 武士
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「僕が、『浅野レーシングサービスさんにドライバーとして乗った訳』を富士でもたくさんの方に聞かれました。
一つは、ドライバーとしての自分の技量と体力と感覚を、衰えさせたくないっていう思いと、もう一つは、自分が小学校の頃に見に行っていたレースに、浅野武夫さんが出ていて、その武夫さんと、浅野レーシングのお手伝いを、純粋にしたいって思ったからなんです。
浅野レーシングは、浅野家の皆さんを中心に運営されている、1975年設立の老舗レーシングチームです。僕がレースを見に行きだした頃から、つちやエンジニアリングと同じツーリングカーのレースにライバルとして走っていました。
僕が18才でメカニックだった頃、真夏のレースが終わると、浅野さんのお母さんがそうめんをご馳走してくれたことを今でも覚えています。
母体は浅野自動車で、武夫さん兄弟で営んでいる自動車整備工場で、その息子さんたちが今は中心になってレーシングチームを運営しています。
でも武夫さんは67才で、いまだに現役バリバリ!しかもドライバーとして走るだけでなく、走行が終わるとすぐつなぎに着替えてクルマの整備を始めます。この86のエンジンも、武夫さん自身が組んだものです。
今回も24時間ほぼ寝ず。2スティントをフルで乗っているのに!
そんな武夫さんと一緒にレースがしたくて、メカニックもエンジニアもスタッフも、みんな普段は別の仕事をもっていて、このチームでレースがしたい!武夫さんとレースがしたい!って、レースがあると集まる仲間なんです。
ドライバーのみんなもここでレースがしたくて、自分の稼ぎやスポンサーを募って、レース資金を持ちよっています。もちろん僕もです。
そんなチームなので、スポンサーさんも同じく、スポンサーをしているのに裏方でチームみんなのサポートをしてくれていたり、今回は人数制限があってこられなかったけど、ケータリングをしてくれる皆さんがいてくれたり、とにかくみんなが、“誰かのために“って集まっているチームなんです。
僕が知ってる限りでは、ウェッズスポーツさんはもう何十年も浅野レーシングをサポートしているはずです。
プロのレーシングチームは数あれど、大きな資本なく、40年以上プライベーターでレーシングチームを、仲間の支えで続けてこれているチームなんてほとんどないと思います。
僕がここで走りたいって思ったのも、浅野レーシングみたいなチームが、このレース界に残ってほしい、みんなに知って欲しい、このチームでレースを大好きになって欲しい、そのお手伝いがしたい!って思ったからです。
つちやエンジニアリングもたくさんの方に支えられて、レースを続けることができています。1回活動できなくなっているので、プライベーターがレースを続けることの困難さは分かっているつもりです。
でも、情熱があれば何とかなるって、仲間さえいれば続けられるって、お金がなければレースはできないなんて、そんな世界じゃないってことを伝えられる数少ないチームが浅野レーシングなんだと思うんです。
そんなチームで、初戦を走ってみた感想は、、イメージ通りでした(^^)
でも最後の最後にビックリしたのが、武夫さんの最終ラップのセクター1で、チームのパーソナルベストが出たこと!!
24時間レースの最終ラッブですよ!しかも武夫さんのクールスーツ、氷交換しなくて1時間半のスティント、クールスーツきかなくてゴール後ヘロヘロだったっていう。。
いやいや、、まだまだ自分がひよっこだってことを思い知らされました。
ほんと~に、このチームの仲間に入れてもらえて良かったなって思えた開幕戦でした!
僕も次からはレーシングスーツ脱いだらつなぎに着替えようかな、昔みたいに(^^)
まだまだ学べると感じた週末でした。」
西村 和則
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「今回の24時間レースは悪天候に翻弄され、ギアトラブルを抱えた中でのレース展開となりましたが、無事完走出来た事はチーム全員のサポートのお陰であり、ドライバー全員が集中力を切らさず、丁寧に走り切ったからこそだと思います。
自分としてはレース終盤に差し掛かった時間帯に、3位争いの最中での自分の走行で、ギアトラブルを抱えていたとはいえ、順位を下げてしまった事は残念に思います。
この悔しさを糧に、さらにチームに貢献出来るドライバーを目指して日々精進していきます。」
芝 叔和
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「この24時間レースへの参戦は自身3度目となり、レースの流れに関しては、不安を感じることはありませんでした。
しかし、昨今の社会情勢から、2月の公式テスト以降思うようにテストができていなかったため、マシンの状態がわからないままで、レースウィークを迎えることになりました。
ただ、今年は、Cドライバーに土屋武士さんが加わって頂けたことは、非常に心強く、マシンの状態把握、評価等、とても的確で本当に安心できました。
今回は、Eドライバーという立場でしたので、与えられたタイミングでベストパフォーマンスを出すことに集中しようと思っていました。
その中で、この週末は、本当に天候が目まぐるしく変わる状況でしたので、毎周、刻一刻と変化する路面を感じながらのドライブとなりました。
金曜日の予選では、Bドライバー走行中にエンジントラブルが出たため、走行できませんでしたが、決勝は24時間ですので、全体でみると影響は非常に小さかったと思います。
決勝では、1時~4時、12時~13時半のスティントを担当しました。
深夜の走行時は、過去に経験がないくらいの土砂降りでSCが入るなど、路面状況の把握が非常に難しく、他車との距離感もつかみにくく思うようにタイムを伸ばすことができませんでした。
チェッカー前のスティントでは、ウェットからドライに変化する路面、無線が不通となるトラブルに加え、MTに不具合を抱えた状態での走行となりましたが、上位にいた884号車との抜きつ抜かれつの走行は、非常に楽しめましたし、コーナリングスピードでは負けていないことが再認識できたことは、次戦に繋がる大きな収穫になりました。
私自身は、今シーズンは、この富士のみですが、チームとして初戦を4位入賞の完走で終えることができたことは、
シリーズを戦う上では、まずは上出来のスタートだと思います。
毎回、多大なサポートをして頂いているスポンサー様はじめ、応援してくれている友人、家族には心から感謝いたします。今後も浅野レーシングサービスをよろしくお願いいたします。
本当に有難う御座いました。」
井上 雅貴
「まず9月にいきなり24時間レースが開幕戦と異例のレーススケジュールとなる中、制限はあったものの完走ができるマシンを仕上げて頂いたチームとそれをサポートして頂いたメカニック・スタッフの皆様に感謝を申し上げます。レースは一時は3位を走行していましたが、18号車もミッションの不調を抱えておりました。表彰台が見えていただけにそれを逃してしまったことは悔しさもありますが、攻め続けていたら完走はできなかったかもしれません。開幕戦を完走で終わることが出来たのは思い切った選択でした。私は今年SUGO大会と岡山大会に参戦する予定です。どちらも得意なコースなのでしっかりと結果につながるよう頑張っていきたいと思います。今後ともWeds Sport 86の応援を宜しくお願い申し上げます。」
チーム体制
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